WT9-S25|歴史総合・世界史探究 対策問題
歴史上の「境界」について述べた文として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正解
国境や境界は歴史的に作られたものであり、時代により引き直されてきた
この問題のポイント
境界の歴史性を問う。国境は歴史的に作られ引き直されてきたものであり、その認識が領土問題を考える前提という視点が核心。
解説
前提として、現在の地図に引かれた国境線は、自然にできたものでも太古から不変のものでもなく、歴史の産物である。
代表的な事例を挙げる。
- アフリカの直線的国境:ベルリン会議(1884〜85年)以降、列強が民族分布を無視して引いた分割線の遺産で、独立後の民族紛争の火種となった
- オーデル・ナイセ線:第二次世界大戦後のドイツ・ポーランド国境で、大規模な住民移動を伴った
- ラドクリフ線:1947年の印パ分離独立の境界。急ごしらえの線引きが大移動と虐殺を招いた
- 38度線:朝鮮の南北分断線
境界の引き直しは、そのたびに移住・離散・紛争を伴ってきた。誰が線を引いたのか(当事者か外部の列強か)に注目することが、領土問題を冷静に考察する読解の鍵となる。
ひっかけポイント
国境不変・自然地形と一致・紛争と無関係とする選択肢はいずれも境界の歴史性を否定する誤り。線を引いた主体(外部の列強か当事者か)への注目が探究の視点。
選択肢の確認
①「境界の変更が紛争の原因になったことはない」
❌ 誤り。
印パ分離やパレスチナ、朝鮮半島のように境界の設定と変更が紛争の原因となった例は多い。
②「国境や境界は歴史的に作られたものであり、時代により引き直されてきた」
✅ 正しい。
アフリカの直線的な国境や大戦後のオーデル・ナイセ線、印パ分離の境界線のように、境界は歴史の産物であり引き直しのたびに移住や紛争を伴ってきた。
③「現在の国境は有史以来変わっていない」
❌ 誤り。
アフリカの国境やヨーロッパの国境は20世紀にも大きく変更されており、有史以来変わっていないという説明は誤りである。
④「境界は自然地形とだけ一致する」
❌ 誤り。
植民地分割で引かれたアフリカの直線的国境のように、自然地形と無関係な境界も多い。
覚えるポイント
- アフリカの直線国境は列強分割の遺産
- ラドクリフ線(印パ)・38度線(朝鮮)・オーデル・ナイセ線
- 境界の引き直しは移住・離散・紛争を伴った
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。