RN2-B08公共・倫理 対策問題

倫理A 人間としての在り方生き方(1) 青年期の課題と自己形成

心理・社会的モラトリアムについての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 4

正解

心理・社会的モラトリアムとは、アイデンティティを確立するために、大人としての責任や義務の遂行が社会的に猶予されている期間を指す

この問題のポイント

モラトリアムの定義と語源を問う問題。「責任・義務の猶予期間」という意味と、「支払い猶予」という経済用語からの転用、猶予の積極的意義がわかれば解ける。

解説

モラトリアムは、もともと支払い猶予を意味する経済用語である。恐慌や災害の際に、借金の返済を一定期間待ってもらう措置を指す。
エリクソンはこれを青年期に転用した。青年は、学生であることなどによって、職業をもち家庭を支えるといった大人としての責任や義務の遂行を、社会から猶予されている。この期間が心理・社会的モラトリアムである。
重要なのは、エリクソンがこの猶予期間を積極的に意義づけたことである。猶予があるからこそ、青年はさまざまな役割や生き方を試し(役割実験)、失敗しても致命的な結果を負わずにやり直せる。モラトリアムは、アイデンティティ確立のための準備と模索の期間として、人生に不可欠なのである。
したがって、モラトリアムを「責任を完全に引き受けた状態」とするのは正反対であり、「不要で短いほどよい」もエリクソンの立場に反する。なお現代では、大人になることを先延ばしにし続ける青年像が「モラトリアム人間」(小此木啓吾)として論じられるなど、猶予の長期化が新たな問題ともなっている。

ひっかけポイント
語源は経済用語(支払い猶予)であり、医学用語とする説明は誤り。「責任の完全な引き受け」への逆転と、猶予期間の意義の否定が定番のひっかけ。

選択肢の確認

①「モラトリアムとは、青年が就職して社会的な責任と義務を完全に引き受けた状態をいう」
誤り。
誤答理由: モラトリアムは責任・義務が猶予されている状態を指す。完全に引き受けた状態はモラトリアムの終了を意味する。

②「モラトリアムという語は、もともと医学において身体の成長の停止を意味した」
誤り。
誤答理由: モラトリアムの語源は経済用語の支払い猶予であり、医学用語ではない。

③「エリクソンは、モラトリアムの期間は人生にとって不要であり、短いほどよいと主張した」
誤り。
誤答理由: エリクソンはモラトリアムをアイデンティティ確立のための準備期間として積極的に意義づけた。不要とする説明は正反対である。

④「心理・社会的モラトリアムとは、アイデンティティを確立するために、大人としての責任や義務の遂行が社会的に猶予されている期間を指す」
正しい。
正解。心理・社会的モラトリアムは、アイデンティティ確立のために大人の責任や義務の遂行が社会的に猶予されている期間である。

覚えるポイント

  • モラトリアム=責任・義務が猶予される期間
  • 語源は支払い猶予(経済用語)
  • アイデンティティ確立の準備期間として積極的意義

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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