RN4-031|公共・倫理 対策問題
仏教の慈悲についての説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 4
正解
生きとし生けるものに楽を与える慈と、苦しみを取り除く悲からなる、一切衆生への無差別の愛である
この問題のポイント
慈悲の内訳(慈=与楽、悲=抜苦)と、対象が人間を超えて一切衆生に及ぶことを問う問題。
解説
慈悲は、仏教の説く愛のかたちである。
- 慈(マイトリー):生きるものに楽しみを与えようとする友愛の心(与楽)
- 悲(カルナー):生きるものの苦しみをあわれみ、取り除こうとする心(抜苦)
慈悲の対象は、家族や同胞、さらには人類にも限られず、一切衆生、すなわち生きとし生けるものすべてに及ぶ。この普遍性は、あらゆる存在が縁起によって支え合っているという真理の自覚と結びついている。
経典には「あたかも母が己が独り子を身命を賭して護るように、一切の生きとし生けるものに対して無量の慈しみの心を起こすべきである」(要旨)と説かれている。
キリスト教のアガペーが神の愛への応答であるのに対し、慈悲は悟りの智慧と一体の心である点に特色がある。大乗仏教では、衆生救済をめざす菩薩の実践の核心となった。
ひっかけポイント
慈=与楽と悲=抜苦の対応の入れ替えに注意。選民への恩恵はユダヤ教、上昇する愛はエロースで、慈悲の無差別性・普遍性と対比される。
選択肢の確認
①「自分の家族と同胞に限って注がれる、血縁に基づく愛情である」
❌ 誤り。
誤答理由: 慈悲は家族や同胞への血縁的な愛情に限られず、人間を超えてあらゆる生き物に及ぶ普遍性を持つ。
②「神が選ばれた民だけに与える、契約に基づく恩恵である」
❌ 誤り。
誤答理由: 選ばれた民への契約に基づく恩恵はユダヤ教の枠組みであり、対象を限定しない慈悲とは性格が異なる。
③「美しいものにあこがれ、より完全なものを求めて上昇する愛である」
❌ 誤り。
誤答理由: 完全なものへあこがれ上昇する愛はプラトンのエロースであり、苦しむものをあわれみ楽を与える慈悲とは別の愛のかたちである。
④「生きとし生けるものに楽を与える慈と、苦しみを取り除く悲からなる、一切衆生への無差別の愛である」
✅ 正しい。
正解。慈悲は、楽を与える慈(与楽)と苦を取り除く悲(抜苦)からなり、生きとし生けるものすべて(一切衆生)に注がれる無差別の愛である。
覚えるポイント
- 慈=楽を与える(与楽)、悲=苦を除く(抜苦)
- 対象は一切衆生(生きとし生けるものすべて)
- 大乗仏教では菩薩の実践の核心
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。