RN6-048公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(4) ドイツ観念論と功利主義

カントの『永遠平和のために』についての説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 2

正解

常備軍の廃止や諸国家の連合の創設などを提唱し、のちの国際連盟の理念に影響を与えた

この問題のポイント

カントの平和論を問う問題。諸国家の連合という構想と国際連盟への影響、という結びつきをおさえる。

解説

カントは晩年の著作『永遠平和のために』で、人格の尊重という道徳の原理を国際関係にまで広げ、恒久平和の条件を論じた。
そこでは、常備軍の段階的廃止、内政への武力干渉の禁止などが予備条項として掲げられ、さらに確定条項として、各国の政治体制が市民の合意に基づく共和的であること、そして自由な諸国家の連合(連盟)の上に国際法を基礎づけることなどが提唱された。カントは単一の世界国家による支配ではなく、独立した諸国家が結ぶ平和連合を構想したのである。
戦争を外交の手段とみなすことが常識だった時代に、平和を人類の道徳的
義務
として基礎づけたこの構想は、20世紀の国際連盟や国際連合の理念の思想的な源流となった。
人格の尊重という道徳の原理を国家間の関係にまで拡張した点で、カントの道徳哲学の一貫した帰結といえる。

ひっかけポイント
カントの構想は世界帝国や武力による平和ではなく、自由な諸国家の連合である。戦争を進歩の手段として肯定する見方はカントと正反対。

選択肢の確認

①「国際平和は大国の軍事力による支配によってのみ実現できると論じた」
誤り。
誤答理由: 大国の軍事力による支配は力による平和であり、法と連合に基づく平和を説いたカントの構想とは異なる。

②「常備軍の廃止や諸国家の連合の創設などを提唱し、のちの国際連盟の理念に影響を与えた」
正しい。
正解。カントは『永遠平和のために』で常備軍の廃止や自由な諸国家の連合を提唱し、その構想は国際連盟の理念の源流となった。

③「戦争は歴史を進歩させる必然的な手段であるとして、戦争を積極的に肯定した」
誤り。
誤答理由: 戦争を歴史の進歩の手段として肯定する考えはカントの平和論と正反対である。カントは平和を人類の道徳的義務とした。

④「すべての国家を一つに併合する世界帝国を武力で樹立することを提唱した」
誤り。
誤答理由: カントが構想したのは武力による世界帝国ではなく、独立した諸国家が自発的に結ぶ平和のための連合である。

覚えるポイント

  • カント『永遠平和のために』=恒久平和の条件を提示
  • 常備軍の廃止・諸国家の連合を提唱
  • 国際連盟・国際連合の理念の源流

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

関連問題

RN6-047RN6-049