RN6-070公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(5) 社会主義と実証主義・進化論

空想的社会主義と科学的社会主義の比較として最も適切なものはどれか。

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正解: 3

正解

マルクスらは、理想の提示や共同体の実験にとどまる先行の社会主義を空想的と呼び、資本主義の科学的分析に基づく自らの立場を科学的社会主義とした

この問題のポイント

社会主義の二つの潮流の方法上の違いを問う比較問題。「理想の提示」対「科学的分析と階級闘争」という対比をおさえる。

解説

空想的社会主義(オーウェン・サン・シモン・フーリエ)は、資本主義の弊害への鋭い批判と豊かな理想社会の構想を持っていたが、その実現の方法は、資本家や為政者の善意への訴え、模範的共同体の実験といった手段に頼っていた。彼らには、資本主義がなぜ矛盾を生むのか、どんな社会的力がそれを変革するのかについての構造的な分析が欠けていた。
これに対しマルクスエンゲルスは、唯物史観によって歴史の発展法則を、『資本論』の経済学によって資本主義の運動法則を解明し、生産力と生産関係の矛盾および階級闘争を通じて社会主義への移行が必然的に準備されることを示そうとした。理想への願望ではなく科学的認識に基づくという意味で、彼らは自らの立場を科学的社会主義と称したのである。
両者の対比は、社会変革における「理想」と「分析」の役割を考えるうえで現代でも重要な論点である。

ひっかけポイント
方法の対応の入れ替え(空想的=暴力革命、科学的=共同体実験とする類)が定番。時代の前後関係も空想的社会主義が先である。

選択肢の確認

①「両者は名称が異なるだけで、方法も内容もまったく同一であった」
誤り。
誤答理由: 両者は資本主義批判を共有するが、変革の方法と理論的基礎を大きく異にしており、同一の内容という記述は誤りである。

②「空想的社会主義は、マルクスの死後に初めて現れた思想である」
誤り。
誤答理由: 空想的社会主義はマルクスに先行する19世紀前半の思想であり、マルクスの死後に現れたという記述は時代関係が逆である。

③「マルクスらは、理想の提示や共同体の実験にとどまる先行の社会主義を空想的と呼び、資本主義の科学的分析に基づく自らの立場を科学的社会主義とした」
正しい。
正解。マルクスらは理想の提示にとどまる先行の社会主義を空想的と呼び、唯物史観と資本主義分析に基づく自らの立場を科学的社会主義とした。

④「空想的社会主義は暴力革命を重視し、科学的社会主義は模範的共同体の建設を重視した」
誤り。
誤答理由: 方法の対応が逆である。共同体の建設を試みたのは空想的社会主義であり、科学的社会主義は歴史と経済の分析に基づく変革を説いた。

覚えるポイント

  • 空想的社会主義=理想の提示と共同体の実験
  • 科学的社会主義=唯物史観と資本主義分析に基づく
  • 呼び分けはマルクス・エンゲルスによる

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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