KZ-R8H-05地理総合・地理探究 対策問題

共通テスト図版チャレンジ令和8年度 本試験

モンゴルでは近年ヤギの飼育頭数の増加が顕著である。その背景と影響に関する知識として最も適切なものはどれか。

KZ-R8H-05の問題図版
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正解: 3

正解

高級衣料の原料となるカシミヤの需要の高まりを背景にヤギの飼育が増え、過放牧による草原の劣化や砂漠化の進行が懸念されている

この問題のポイント

モンゴルのヤギ増加という統計の変化を、カシミヤ需要という経済的背景と、過放牧・砂漠化という環境問題に結び付けて理解できるかを問う。

解説

カシミヤは、ヤギの柔らかい下毛から作られる高級な繊維で、セーターやマフラーなどの衣料に使われる。世界的な需要の高まりを受けて、主産地の中国内陸部やモンゴルではヤギの飼育頭数が急増した。
ヤギは草を根に近い部分まで食べるため、頭数が増えすぎると草原の回復力を超えて植生が失われやすい。降水量の少ないステップ地帯では、こうした過放牧砂漠化の主要な原因の一つとなる。モンゴルでは市場経済化以降、収入源として換金性の高いヤギの飼育に人気が集まり、家畜頭数全体が増加して草原の劣化が問題となっている。
砂漠化は乾燥・半乾燥地域で土地の生産力が低下する現象で、過放牧のほか過耕作・薪の採りすぎ・不適切な灌漑などの人為的要因と、干ばつなどの自然的要因が重なって進行する。サハラ砂漠南縁のサヘルとともに、モンゴルや中国内陸部は砂漠化が懸念される代表的な地域である。

ひっかけポイント
ヤギの増加を環境対策の成果と逆向きに説明する選択肢に注意。経済的動機(カシミヤ需要)→過放牧→砂漠化という因果の流れで覚える。

選択肢の確認

①「カシミヤは羊から採れる毛であるため、ヤギの増加とカシミヤ生産は無関係である」
誤り。
誤答理由: カシミヤはヤギの下毛から作られる繊維であり、羊毛ではない。モンゴルは中国と並ぶカシミヤの主産地である。

②「モンゴルの草原では降水量が多いため、家畜がどれだけ増えても砂漠化は起こらない」
誤り。
誤答理由: モンゴルの草原は降水量の少ないステップであり、過放牧が進めば植生が回復できず砂漠化が起こりうる。多雨で砂漠化しないという前提が誤り。

③「高級衣料の原料となるカシミヤの需要の高まりを背景にヤギの飼育が増え、過放牧による草原の劣化や砂漠化の進行が懸念されている」
正しい。
正解。カシミヤ需要の高まりで換金性の高いヤギの飼育が急増し、草を根元まで食べるヤギの過放牧が草原の劣化・砂漠化を進めると懸念されている。

④「ヤギの増加は砂漠化を防止する国際的な取組の成果であり、草原の環境は大きく改善した」
誤り。
誤答理由: ヤギの増加は商業的な動機によるもので、砂漠化対策の成果ではない。むしろ過放牧により砂漠化を進める要因とされる。

覚えるポイント

  • カシミヤはヤギの毛から作られる高級繊維
  • 換金目的のヤギ増加が過放牧・草原劣化を招く
  • 砂漠化の人為的要因は過放牧・過耕作・薪の過剰採取など

共通テスト攻略

  • 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
  • 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
  • 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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