KZ-R8T-16|歴史総合・日本史探究 対策問題
図は出土した漆紙文書の写真とその釈文で、人名や年齢が書き連ねられていることが読み取れる。このような漆紙文書が約1300年間も土の中で失われずに残った理由として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る
正解: 1
正解
漆の被膜が紙を覆い、腐食を防いだから
背景・因果
漆の容器のふた紙として使われた反故紙に漆がしみ込み、被膜となって腐食を防いだ。偶然の産物として古代の戸籍・計帳などの内容が現代に伝わった。木簡と並ぶ「地中から出る文字資料」である。
覚えるポイント
漆が紙にしみ込んで被膜になった偶然が保存の理由。木簡(木に墨書)と漆紙文書(紙+漆)という「残り方」の違いごと覚える。
選択肢別の検討
① ✅ 正解「漆の被膜が紙を覆い、腐食を防いだから」
廃棄された紙が漆容器のふたなどに再利用され、染み込んだ漆の被膜が腐食を防いだため約1300年間残った。写真の紙と漆という材質の組合せが保存理由である。
② ❌ 誤答「金属の箱に密封されていたから」
漆紙文書は遺跡の土中から漆の付着した紙として出土しており、金属箱への密封で保存されたのではない。酸化しにくい漆の膜が紙を保護した。
③ ❌ 誤答「石に文字が刻まれていたから」
写真と釈文が示すのは紙に墨書された文書で、石へ刻んだ碑文ではない。紙でありながら残った点に漆紙文書の特徴がある。
④ ❌ 誤答「定期的に書き写されてきたから」
伝世文書のように代々書き写されたのではなく、反故紙が土中で偶然保存され発掘された資料である。漆の被膜が原物を腐食から守った。
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。