KZ-R6HB-12|歴史総合・世界史探究 対策問題
図1の道路網を整備したマウリヤ朝のアショーカ王が、仏教に対して行ったこととして最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る
正解: 1
正解
仏典の結集を支援し、スリランカ(セイロン島)への布教を行わせた
この問題のポイント
アショーカ王の仏教保護策の内容を問う問題。仏典結集の支援とスリランカ布教という事業を、クシャーナ朝カニシカ王(大乗仏教・ガンダーラ美術)と混同せずに区別できるかが核心。
解説
仏教に帰依したアショーカ王は、教団を保護し、仏教の経典を整理する仏典の結集を支援したと伝えられる。
さらに各地へ布教師を派遣し、王子(マヒンダ)をスリランカ(セイロン島)へ送って仏教を伝えさせた。スリランカに根付いた上座部仏教は、のちにビルマ・タイなど東南アジア大陸部へ広がる。現在の東南アジアの仏教の源流が、アショーカ王の布教にさかのぼるのである。
注意すべきは、王が碑文に刻ませたダルマは特定宗教の強制ではなく、生き物への不殺生や他者への寛容といった普遍的な倫理だった点である。他宗教の禁止は行っていない。
一方、大乗仏教の保護とガンダーラ美術は、約400年後のクシャーナ朝カニシカ王の時代の事柄で、両王の区別は最頻出である。
ひっかけポイント
アショーカ王(マウリヤ朝・上座部系の南伝)とカニシカ王(クシャーナ朝・大乗仏教の北伝)の対比が定番。「他宗教の禁止」はダルマの寛容の精神と矛盾する。
選択肢の確認
①「仏典の結集を支援し、スリランカ(セイロン島)への布教を行わせた」
✅ 正しい。
正解。アショーカ王は仏典の結集を支援し、スリランカへ布教師を派遣した。ここに根付いた上座部仏教はのちに東南アジアへ広がった。
②「大乗仏教を保護してガンダーラ美術を発展させた」
❌ 誤り。
大乗仏教の保護とガンダーラ美術の発展は、2世紀ごろのクシャーナ朝カニシカ王の時代の事柄で、王朝も時代も異なる。
③「仏教以外のすべての宗教を禁止した」
❌ 誤り。
アショーカ王のダルマは寛容を旨とし、他宗教の禁止は行っていない。全宗教の禁止という説明は統治理念と正反対である。
④「仏教を弾圧してバラモン教を復興させた」
❌ 誤り。
アショーカ王は仏教を保護した側であり、弾圧してバラモン教を復興させたという説明は事実と逆である。
覚えるポイント
- アショーカ王は仏典結集を支援、スリランカへ布教
- 上座部仏教はスリランカから東南アジアへ(南伝)
- 大乗仏教・ガンダーラ美術はカニシカ王(クシャーナ朝)
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。