KZ-R7H-11歴史総合・世界史探究 対策問題

共通テスト図版チャレンジ令和7年度 本試験

図2には運河が発達した市街が描かれている。19世紀後半の開国以降、タイ経済に起こった変化として最も適切なものはどれか。

KZ-R7H-11の問題図版
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正解: 3

正解

チャオプラヤ川流域で米の生産・輸出が拡大し、世界市場に組み込まれた

この問題のポイント

開国後のタイ経済の変化を問う問題。ボーリング条約による自由貿易化と、チャオプラヤ川流域の米作拡大・米輸出という世界市場への組み込みを押さえる。

解説

タイは1855年、イギリスとボーリング条約を結んだ。低率関税や領事裁判権を含む不平等条約で、これによりタイは自由貿易体制へ組み込まれた。
開国後に急成長したのが米の輸出である。チャオプラヤ川流域では運河の開削によってデルタ地帯の開田が進み、米はタイ最大の輸出品となった。図2に描かれた運河網は、交通路であると同時に、この米作地帯の開発を支える水路でもあった。
米の主な輸出先は、シンガポール・香港などを経由したアジア各地である。植民地化された周辺地域で、プランテーション労働者や都市住民の食料需要が増えたことが背景にある。
輸出の利益は王室の近代化改革の財源にもなった。一方、特定の一次産品に依存する経済構造は、ビルマ(米)やマラヤ(ゴム・スズ)などの植民地と共通する性格も持っていた。

ひっかけポイント
独立を保ったタイも、経済面では米に依存するかたちで世界市場へ組み込まれた。政治的独立と経済的従属のずれを読み取らせるのが探究型の狙いである。

選択肢の確認

①「重化学工業が輸出の中心となった」
誤り。
重化学工業の発展は20世紀後半以降の話で、19世紀のタイの輸出の中心は米などの一次産品だった。

②「羊毛が最大の輸出品となった」
誤り。
羊毛は乾燥地の牧羊地帯の産品で、熱帯モンスーン地帯のタイの主要輸出品としては成り立たない。

③「チャオプラヤ川流域で米の生産・輸出が拡大し、世界市場に組み込まれた」
正しい。
正解。ボーリング条約(1855年)以降、チャオプラヤ川流域では運河開削とともに開田が進み、米がタイ最大の輸出品として世界市場に組み込まれた。

④「米の輸出が禁止され、自給自足の経済に戻った」
誤り。
開国後のタイは米の輸出を拡大しており、輸出禁止・自給自足化という説明は方向が正反対である。

覚えるポイント

  • 1855年ボーリング条約で自由貿易体制へ
  • 運河開削でチャオプラヤ川流域の米作が拡大
  • 米輸出はアジアの植民地の食料需要が支えた

共通テスト攻略

  • 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
  • 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
  • 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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